2007年12月14日

「外来種の問題」

My Documentを整理していたら、1年以上前に某所に「外来種の問題」として書き込んだモノが出てきたので、メモとして一部修正して掲載します。


 「外来種が何故いけないのか」を考える場合には「生物多様性を守る」という考え方を理解していないと論点がずれてしまうと考えています。
 個々の生物種、例えば「ハクビシンがかわいそう」「ブラックバスは悪くない」という話の前に、地球規模での生物多様性の保存、日本の生物多様性の保存、東京の生物多様性の保存、新宿区の生物多様性の保存・・・を考える必要があるのではないでしょうか。

 「生物の多様性」には大きく分けて「生態系の多様性」「種の多様性」「遺伝子の多様性」という3つのレベルがあります。「東京から野生のタヌキがいなくなっても、隣の千葉でまだ沢山生息しているから良い」という話にはならないのです。

 例えば「ハクビシン」という「種」に限った話の場合、外来種であるハクビシンが生息域を広げることによって、ハクビシンによって捕食される小動物や、ハクビシンと生息域や食性が重なり、より小型の在来種であるテンやイタチが減少・絶滅してしまう恐れがあります。「ハクビシン」という「種」を保護することによって、在来種の「種の多様性」が失われる可能性があるのです。
 「在来種の絶滅は外来種によって引き起こされるとは限らない、だから外来種を駆除するのは可愛そう」という意見がありますが、一度絶滅してしまった種を再生することは不可能です。なので「在来種の減少・絶滅」の可能性がある限りは外来種のコントロールは必要だと思っています。
 もちろん、それ以外に「生物の多様性」を保全するために、しなければならないことは山積みです。

 「国内移入種」の問題は上述の「遺伝子の多様性」のレベルの問題です。研究者の中では古くから取り上げれている問題ですが、一般への認識は低く「コイの稚魚放流」「琵琶湖産アユの放流」といったイベントが「環境保全活動」として行われていたりもします。

 日本は欧米に比べて環境教育の分野では遅れを取っています。まずは私たち一人ひとりが、しっかりと現状を見つめなおして状況を把握する必要があると思います。
 小さな頃には良く見かけたカブトムシやアマガエル、今でもあなたの周りにいるでしょうか?「スーパーで売っている」「田舎に行けば、まだ沢山いる」では駄目なのです。私たちの身近なところから「遺伝子の多様性」が失われ、それが「種の多様性」の減少につながり、ひいては「生態系の多様性」の減少へとつながっています。

 生物の命の価値に「在来種>外来種」というような優劣があるわけではありません。
 有志で野生生物の保護を行っている方々の活動は、もっと支持されるべきです。ですが本当の「野生生物のパラダイス」は「保護センター」の中では無く、本来の生息域の中であるべきだと思っています。
posted by Go-T at 16:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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